美容外科と形成外科は一見同じような治療内容だと思われがちです。
けれど、実際には形成外科と美容外科の治療内容や役割は似ているようですが、違うのです。
また、美容外科にはなぜ形成外科医が多いのかを調べてみました。
形成外科というのは、もともと体表に見られる傷を手術などで治療するところです。
例えば、身近な症状としてはイボや魚の目、ほくろや怪我でできた傷や生まれつきあるアザを取り除く治療などをします。
それだけでなく、乳がんの手術後の乳房再建や悪性黒色腫の切除なども形成外科の範疇です。
以上のようにもともとあった傷やシコリなどを治療によってきれいにすることが形成外科の主な役割です。
こういった治療内容から形成外科は他の科で行われた治療をフォローする役割も担っており、総合病院などでは欠かせない存在となっています。
一方、美容外科とはもともとの傷はないけれど、より美しくなるために体表に手術などの治療を加えるところです。
美容外科のメニューを見てみると、小顔にする施術や鼻を美しくする施術、豊胸術など美容に直結している治療を行なっています。
両者の大きな違いの一つは、形成外科では健康保険適用になることが多く、美容外科ではほとんどの治療が健康保険の適用外になってしまうことです。
健康保険制度というのは、治療が必要と認められた場合に適用される制度ですので、美容外科の治療内容ではその条件に当てはまらないケースが多いからです。
その結果、美容外科の方が治療代が高くなることが多いようです。
ただ、シミを取るつもりで治療に訪れたところ、実は皮膚の腫瘍だったといったケースですと治療の方法によっては保険が適用になる場合もあるので、全てが保険に適応しないわけではありません。
では形成外科の医師が美容外科医に多いのはなぜでしょう。
美容外科で手術をした場合、手術痕が残ります。
その手術痕をいかに目立たずに治療できるかという点で、形成外科医の技術が大変役立ち必要とされているからです。
前述したように形成外科はもともとあった傷を治療するところです。
美容外科での手術痕をカバーすることができる形成外科医は美容外科にとって、大切な存在となっています。
また、勤務形態や肩書きにもよりますが収入の面を見てみると、ほとんどが自由診療である美容外科医の方が年収が高いことがわかります。
こういった理由から、近年美容外科医を目指す医師が増えています。
このように形成外科と美容外科では根本的なところで大きな違いがあります。
美を演出する美容外科は大きな可能性を秘めており、今後発展していく可能性のある分野と言えましょう。